アイロンの温度表示と素材別早見表【点1つ・2つ・3つの意味】
結論・要約
2024年8月20日以降の表示は、点3つ=上限210℃、2つ=160℃、1つ=120℃、×印=アイロン不可です。点1つだけでスチーム禁止とは限らず、「スチームなし」の別記号ならスチームを使いません。素材名で温度を決めず、衣類の表示を優先し、古い表示や発行時期不明の服は低めから試します。
まず確認:アイロンマークはどこにある?何を見る?
アイロンの温度は感覚で決めず、衣類の内側に縫い付けられた「洗濯表示タグ」のアイロンマークで判断します。マークはアイロンの底面を横から見た形をしていて、その中にある点(ドット)の数が温度の上限を示します。
切り分けはシンプルです。
- タグのアイロンマークを探す — 底面型のマーク。中に点があるか、×印が付いているかを見る
- 点の数を数える — 3つ=高温、2つ=中温、1つ=低温
- ×印があればアイロン不可 — 熱を当てない
- 「スチームなし」の低温記号や付記があるかを見る — 点1つの通常記号とは意味が違うため、消費者庁の記号表と照合する
点の数さえ読めれば、あとは温度を合わせるだけです。表示が読めない・タグが切れている場合は、後述の素材別の目安から推測し、必ず低温側から試します。
アイロンマーク 早見表(新JIS/旧表示の対照)
これがこのページの核です。洗濯表示は2016年12月にJIS L0001(ISO準拠)へ切り替わり、さらに2024年8月20日にJIS L0001が改正されてアイロンの上限温度が一段引き上げられました。現在は新旧どちらの表示の服も家庭に混在しているため、3世代を並べて整理します。
| 新マーク | 旧表示(〜2016年11月) | 上限温度(2024年8月20日以降・現行) | 主な対象素材 |
|---|---|---|---|
| 点3つ | 高(180〜210℃) | 210℃ | 綿・麻 |
| 点2つ | 中(140〜160℃) | 160℃ | ウール・絹・ポリエステル(表示により) |
| 点1つ | 低(80〜120℃) | 120℃ | 熱に弱い素材・加工(表示優先) |
| 点1つ+スチームなし記号 | 該当なし | 120℃・スチームなし | 蒸気で損傷する可能性がある製品 |
| ×印 | アイロン不可 | かけない | 熱に弱い加工・素材 |
2024年8月20日より前に発売された衣類(2016年12月〜2024年8月19日のタグ)は、同じ点の数でも上限が200℃・150℃・110℃と少し低めに設定されています。タグの発行時期は分からないことが多いため、いずれの表示でも上限ぎりぎりを狙わず一段低めから試すのが安全です。
読み方のポイント
- 表示の温度は「底面温度の上限」です。上限ぎりぎりではなく、一段低めから始めると失敗しにくくなります
- 新表示には旧表示にあった「当て布」専用の記号がありません。当て布が必要かは素材表示や注意書きの文章で確認します
- 2024年改正後は、通常の点1つとは別に上限120℃・スチームなしの記号があります。古い解説の「点1つはすべてスチーム不可」と混同しないでください
素材名しか分からない時、何度から試す?
同じ繊維名でも、混率、織り方、染色、プリント、接着芯などで耐えられる処理が変わります。次の表はタグを読めない時の低めの開始位置であり、上限を保証する表ではありません。表示がある場合は必ず表示を優先してください。
| 素材 | 温度の目安 | スチーム | 当て布 | 主な注意 |
|---|---|---|---|---|
| 麻・綿 | 低〜中温から | 表示確認 | 濃色・加工品は使用 | 高温可とは限らず、樹脂加工やプリントを確認 |
| ウール | 低温から | 表示確認 | 使用 | 押し付けるとアタリや風合い変化が出やすい |
| 絹(シルク) | 低温から | 表示確認 | 使用 | 水ジミ、変色、風合い変化に注意 |
| ポリエステル | 低温から | 表示確認 | 使用 | 高温でテカリや変形のおそれ |
| ナイロン・アクリル | 低温から | 表示確認 | 使用 | 熱による変形を目立たない場所で確認 |
| アセテート・レーヨン | 低温から | 表示確認 | 使用 | 水分や圧力による変化も確認 |
ナイロンやアクリルなどの化学繊維は高温に弱く、溶けると元に戻りません。化学繊維と分からないときは低温からが鉄則です。安定して温度を保てる温度調整つきのスチームアイロンがあると、素材ごとの切り替えがしやすくなります。
テカリ・縮み・水ジミを防ぐかけ方
失敗の多くは「温度が高すぎる」「直接当てている」の2点に集約されます。
テカリ(アタリ)を防ぐ
濃色のウールや綿、スーツの生地は、高温と圧力で繊維表面が潰れて光ります。これを防ぐには、生地の上にアイロン用の当て布を一枚はさみます。当て布がなければ薄手の綿ハンカチでも代用できます。さらに、強く押し付けず、裏側からかけると安全です。
縮み・溶けを防ぐ
化学繊維は温度を上げすぎると一気に縮んだり溶けたりします。表示の温度を必ず守り、表示が無ければ低温から。テスト代わりに、まず裾や脇など目立たない場所に短時間当てて変化がないか確かめます。
水ジミを防ぐ
絹・レーヨン・アセテートはスチームや霧吹きの水分でシミになります。これらはスチームを使わずドライ(乾式)でかけ、霧吹きも避けます。
こんなときどうする? ケース別の対応
タグが切れて素材も分からない 最も熱に弱い素材を想定し、低温+当て布で短時間から。問題なければ少しずつ温度を上げます。
プリント・刺繍・装飾がある プリント面には直接当てず、裏側からかけます。ラメ・スパンコール・合皮の装飾部分は熱で傷むため避けます。
アイロン不可(×)だがシワを伸ばしたい 衣類スチーマーも熱と蒸気を加えるので、アイロン不可品へ安全に使えるとは限りません。衣類の付記用語や製造・販売元の案内を確認し、確認できなければ熱を加えずハンガーに掛けて自然に戻します。
折り目をきれいに付けたい 綿・麻なら霧吹きで湿らせてからスチームを使うと折り目が付きやすくなります。化学繊維は折り目が付きにくい反面、高温に弱いので温度の上げすぎに注意します。
温度表示を正しく読み、素材に合わせて一段低めから当てる。この基本を押さえれば、テカリや縮みといった「やってしまった」失敗はほぼ防げます。
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よくある質問
アイロンマークの点(ドット)の数は何を表していますか?
アイロン形のマーク内にある点の数が、底面温度の上限を表します。2024年8月20日のJIS L0001改正後は、点3つで210℃、点2つで160℃、点1つで120℃です。点1つの通常記号と、120℃で「スチームなし」を指示する別記号があるため、点の数だけでスチーム可否を決めません。
旧表示の「高・中・低」は新しいマークとどう対応しますか?
2016年12月に切り替わった新JIS(JIS L0001)では、旧表示の「高(180〜210℃)」が点3つ、「中(140〜160℃)」が点2つ、「低(80〜120℃)」が点1つにおおむね対応します。旧表示の「あて布」指定は新表示には独立した記号がなく、素材表示や取扱い注意の文章で確認します。
アイロンマークに×が付いていたらどうすればいいですか?
アイロン仕上げ不可の表示です。衣類スチーマーも熱と蒸気を加えるため、代わりに使えるとは限りません。自己判断で当てず、衣類の付記用語と製造・販売元の取扱案内を確認します。ハンガーに掛けて自然にシワを戻すなど、熱を加えない方法を選びます。
アイロンをかけると生地がテカってしまいます。防ぐには?
テカリ(アタリ)は高温と圧力で繊維表面が平らに潰れて光る現象です。当て布をはさむ、温度を一段下げる、強く押し付けず浮かせ気味にかける、裏側からかけることで防げます。ウールや濃色の生地は特にテカりやすいため当て布が有効です。
スチームとドライ(乾式)はどう使い分けますか?
2024年改正後は、点1つの通常記号(上限120℃)とは別に「上限120℃・スチームなし」を示す記号があります。後者や「スチーム禁止」等の付記があればドライでかけます。通常記号でも素材や加工により水ジミが出るため、取扱説明と付記用語を確認し、目立たない場所で試します。
温度が分からない混紡素材はどう設定すればいいですか?
ポリエステル綿混など複数素材が混ざった衣類は、最も熱に弱い素材に合わせて低めの温度から始めます。表示があればそれに従い、なければ低温で当て布を使い、様子を見ながら必要に応じて温度を上げるのが安全です。いきなり高温にすると溶けや縮みが起きます。
