地下に水が入ったら避難を優先【車や荷物は取りに戻らない】
結論・要約
水が地下へ入り始めたら、車や荷物を取りに戻らず避難を優先します。施設放送や係員が示す、水のない階段・出入口から地上へ向かい、エレベーターと水の中を通る経路は避けてください。出口が塞がれたら水を横切らず行ける近くの高い場所へ移り、安全を確保してから係員や119へ連絡します。
地下へ水が入った時は車より避難を優先する
地下街・地下駅・地下駐車場に水が流れ込んだら、車、財布、買い物袋などを取りに戻らず、まず浸水場所から離れてください。いま水が見えている人は、この記事を読み続けず、施設の放送と係員の誘導に従って避難します。閉じ込められた、出口へ進めない、けが人がいるなど、命の危険が迫る時は、安全な場所へ移ってから119番へ通報してください。
国土交通省は、地下空間について「地上の状況が把握しにくい」「氾濫水が一気に流入する」「避難経路が限られる」ことを浸水リスクとして挙げています。東京都も、地上が冠水して地下へ水が流れ込むと避難が難しくなるため、地下からは早めに避難するよう案内しています。地下の水位や出口までの安全を自分だけで見積もらず、施設が示す経路を使ってください。
指定された出口までの経路を確認する
避難する方向は、地下の施設ごとに異なります。出口の数や接続ビル、階段の配置は同じではないため、「一番近い階段なら必ず安全」とは限りません。まず放送・係員の案内で使う階段や出入口を確認し、案内された出口までの経路全体が水で塞がれていないかを見ます。階段の入口だけ乾いていても、途中の踊り場や地上出口に水が流れていれば使い続けないでください。
- 放送または係員が避難を案内したら、指定経路へ向かう。 階段の入口だけでなく、見える範囲の通路・踊り場・出口に流入や水の滞留がないかを確認します。
- どこかに水が流れている、扉が開かない場合はその経路へ入らない。 水が来ている場所から離れ、係員に使える別経路を尋ねます。
- 使える階段が分からず、水が増えている場合は水を横切らない。 近くに水のない経路で行ける高い場所があれば移り、安全を確保してから係員または119へ現在地を伝えます。遠い出口を探して地下を移動しないでください。
地下駐車場では車を置いて歩行者用出口へ向かう
駐車場の出口に水が集まっている、車路へ水が流れている、浸水警報や閉鎖案内が出ている時は、車を取りに戻らないでください。地下駐車場は車で出るための通路と人が歩いて避難する階段が別になっていることがあります。係員の指示に従い、歩行者用の階段・出口から避難します。地上の車道出口を自分で通れるか確かめるために、地下へ戻ることもしません。
駐車中に放送が流れた場合も、車の移動より避難を優先します。荷物の積み込みや料金精算を続けず、エンジンをかけるために冠水した車路へ出ないでください。駐車場の管理者が閉鎖や避難を案内している時は、その指示と施設の避難計画を優先します。車両の被害については、避難後に管理者へ連絡してください。
すでに車内にいて、周囲に水が来ている場合は、冠水した車路へ無理に発進しません。安全に車外へ出られる時だけ、車を離れて案内された歩行者経路へ移ります。ドアが開かない、水が迫っている、ほかの避難者がいるなど危険な時は、車を動かす判断をせず、車の位置と階を係員または119番へ伝えて助けを求めてください。
エレベーターと水のある出口を避ける
東京消防庁は、地下へ水が入ると停電やエレベーター停止、かごへの浸水による閉じ込めが起きる可能性を示しています。浸水時の避難ではエレベーターを使わず、放送や係員が案内する階段を使います。
出口の扉が開かないからといって、水がある側へ押し続けないことも大切です。東京都は、ドアの外に水深30cmほど水がたまると水圧で開けにくくなること、膝までの水深では歩行が難しくなることを注意点として示しています。どちらも避難を始める安全基準ではなく、そこまで待たずに避難するための危険の目安です。
地下へ入る前に出口と施設の放送を確認する
地下街や地下駅に入ったら、近くの地上出口と避難階段の案内板、館内放送が聞こえる位置を確認しておくと、避難指示が出た時に動きやすくなります。大雨の日はスマートフォンで自治体の避難情報も確認できますが、通信や電源が使えない場合があります。画面の確認を続けて避難開始を遅らせず、施設放送と係員の指示を先に聞いてください。
地下浸水の危険を見分ける行動早見表
| 見えた状況・数値 | 意味 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 放送・係員が指定した経路に、水の流入や滞留が見えない | 見える範囲で通路・踊り場・出口が通行可能 | 車や荷物を取りに戻らず、指定階段で地上へ向かう。途中で水を見たら進まない |
| 指定階段・通路・出口のどこかへ水が流れている | 入口だけが乾いていても、その先を通れるとは限らない | その経路に入らず、浸水場所を避けて係員に別の階段を尋ねる |
| ドアの外に水深約30cm | 水圧でドアが開けにくくなる目安。安全限界ではない | そこまで待たずに避難する。水のある側へ扉を押し続けず、別経路を確認する |
| 水深が膝まである | 歩行が難しくなる目安。安全に歩ける水深ではない | 水の中を横切らない。水を通らず行ける近くの高い場所へ移り、係員・119へ連絡する |
| 地下駐車場の車路に水が入っている | 車を動かすための再入場が危険 | 車を置き、歩行者用の指定階段で避難する。車両の確認は管理者へ後で相談する |
| 地下でエレベーターしか見つからない | 停電や停止、かごへの浸水で閉じ込められるおそれ | 乗らず、係員に階段経路を尋ねる。連絡がつかず危険が迫る時は近くの高い場所で助けを求める |
地下空間では、外から水が入っている場所がそのまま避難路を塞ぐことがあります。早見表の数値は危険を知る目安で、避難を待つための基準ではありません。車や荷物の回収、料金精算、濡れた通路の確認のために地下へ戻らず、施設の案内に沿って避難してください。
よくある質問
地下駐車場に水が入り始めたら車を出しに戻れますか?
戻らないでください。地下空間は水が急に流れ込み、避難経路も限られます。車を動かすために階段を下りたり、地下の通路へ戻ったりせず、施設放送・係員が示す歩行者用の避難経路で地上へ向かいます。
使おうとした階段に水が流れていたらどうしますか?
水の流れる階段や出口へ入らず、係員に別の経路を尋ねます。使える階段がない場合、近くに水を横切らず移動できる高い場所があればそこへ移り、係員または119へ施設名・階・現在地を伝えてください。水の中を通って遠い場所へ移動しないでください。
避難にはエレベーターを使えますか?
使わないでください。浸水時は停電やエレベーター停止、かごへの浸水で閉じ込められるおそれがあります。施設放送と係員の案内に従い、階段で避難してください。
水が階段まで来ていなくても、避難を始める目安はありますか?
施設の浸水警報・避難放送や係員の誘導があれば、階段が濡れる前に避難を始めます。使う経路全体に水の流入が見えないか確認し、途中に水がある場合はその経路へ入らず、係員に別経路を尋ねてください。車や荷物を取りに戻らないでください。
出口のドアの外に水がある時、自分で押し開けてよいですか?
押し切ろうとしないでください。外側の水圧でドアが開きにくくなるおそれがあります。水のある出口を避けて係員に別経路を尋ねます。使える経路がなく、近くに水を横切らず行ける高い場所がある時はそこへ移り、係員または119へ救助を求めてください。
